潰れたトマトと喋るカラス

批評せずにはいられないな

もちぞうアニメアワード2014 作品賞・声優賞・OP/ED賞など

【大賞】

桜Trick
「百合キャラを出しておけば人気が出る」という昨今のアニメ界の風潮に一石を投じた、百合アニメの新しいスタンダード。ガチ百合とユーモアの融合に成功した。

 

【ノミネート】

いなり、こんこん、恋いろは。
いなりというクズ主人公を抱えながらここまで良い作品に仕上がったのは、他キャラたちの魅力と舞台・京都の雰囲気を上手に使った演出のおかげだろう。1クールでしっかり終わらせたことも評価したい。

 

マンガ家さんとアシスタントさんと
紋切り型のラッキースケベに捉われない、予想の斜め上をいく展開を評価した。松岡禎丞早見沙織の実力がいかんなく発揮されている。

 

棺姫のチャイカ/棺姫のチャイカ AVENGING BATTLE』
世界観や展開などファンタジーとしても優れているが、個々のキャラが他作品にはない魅力を放っている。特にチャイカという独特な存在がこの作品を際立たせている。

 

ご注文はうさぎですか?
キャラの可愛さ以外には何も残らないが、アニメはそれだけで十分であることも証明した。可愛さを引き出すことの上手さは目を見張るものがある。

 

『アカメが斬る!』
感動的なストーリーをつくる簡単な方法は「仲間を殺すこと」と「死んだと思われた仲間を復活させる」ことだが、この作品は「仲間の死」を手段ではなくテーマとして扱ったことが最大のポイントである。

 

『ハナヤマタ』
雰囲気だけで感動をつくり出す驚異の作品。5人が少しずつ友情を育んでいく過程にも心を打たれた。

 

『異能バトルは日常系のなかで』
ただの厨二ネタアニメではなく、高校生特有の微妙な心の揺れ動きを丁寧に表現した作品。厨二病を極めており、センスあふれる台詞回しには哲学の素養まで感じられる。

 

『甘城ブリリアントパーク』
千斗いすずという同人界の至宝を生み出したことだけでも作品価値は高い。個性的なキャラたちが作品全体を華やかに彩る。

 

『SHIROBAKO』
アニメ業界をテーマとした斬新さに加え、夢を追いかけ仕事に悩む若者を描いた2010年代を代表する作品になるだろう。

 

【ワースト3】

『魔法戦争』
問題の最終回はアニメ界の教訓として決して風化させてはいけない。

メカクシティアクターズ
話題になれば何でもアニメにすればよいというわけではない。

『RAILWARS! -レールウォーズ-』
ストーリーもなく、作画も悪く、鉄道ファンも怒らせ、エロシーンもTBSでは限界がある。あまり視聴者をなめないでもらいたい。

 

【特別賞(実況賞)】
魔法科高校の劣等生
核ミサイル級のお兄様が視聴者を爆笑の渦に包み込んだ。

『極黒のブリュンヒルデ
シリアスギャグという新たなジャンルを生み出し、その巧みな切り替えは他の追随を許さない。

最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。
ツッコミどころは多いのだが、実は死を扱ったテーマの重い作品なのであまり突っ込めない難解な作品。

 

【声優賞】
早見沙織

今年はいっそう出演本数が増え、能登麻美子の後継者としてアニメに欠かせない存在となった。『異能』5話で見せた迫真の演技は後世に語り継がれるであろう。
種田梨沙

強気なヒロインを演じる代表格として成長した。大きな特徴はないが、清楚さを漂わせる声はメインヒロインに相応しい。今後バトルや泣きの演技に更なる磨きをかけてほしい。

 

【OP賞】
・Won(*3*)Chu Kiss Me!/SAKURA*TRICK(桜Trick)
ユーロビート調の古くさい楽曲と開幕のキスシーン、サビのダンスで視聴者の度胆を抜いた。
・This game/鈴木このみ(ノーゲーム・ノーライフ)
なんだかよく分からないけど雰囲気だけですごい面白そうに感じさせるOP=雰囲気OPの傑作。曲はOPとしての盛り上げ方や歌詞と世界観のリンク、歌唱力など完成度高し。
・heavenly blue/Kalafina(アルドノア・ゼロ)
世界観を表現した美しい映像とキャラたちの悲壮感や切迫感が重なり、OPだけで視聴者を見る気にさせる。王道の梶浦サウンドが流行りの四つ打ちビートに乗った名曲。

 

【ED賞】

・MOST以上の“MOSTEST”/エーコ(CV:伊瀬茉莉也)他 (星刻の竜騎士)
今年を代表する電波曲。「あんたそれでもホモサピエンス!?」という天才的な歌詞を生み出した。

・星屑のインターリュード/fhana(天体のメソッド)
主人公以外に焦点を当てたもう一つのOPと言ってもよい。映像・楽曲共に素晴らしい。

・明日また会えるよね/佐々木佳織(CV.高田初美) (失われた未来を求めて)
未完成なのか何なのかよく分からないEDを流すという伝説をここに残しておきたい。曲は作品の世界にマッチした良曲である。

 

【実写MV賞】

・Daydream cafe/Petit Rabbit's(ご注文はうさぎですか?)

ただの電波ソングに終わらず、カフェの優雅さも表現した名曲。MVは巷に溢れる新人声優ユニットたちに格の違いを見せつけている。

・花ハ踊レヤいろはにほ/チーム"ハナヤマタ"(ハナヤマタ)
鎌倉を舞台に女子生徒(?)の青春の日々を描いたMVは、私たちに忘れかけていた何かを思い出させてくれる。