潰れたトマトと喋るカラス

批評せずにはいられないな

2017夏アニメ 1話期待度&最終評価

サクラダリセット』評価⑩ 複雑に絡み合う能力が予想もつかない展開を生み出す、タイムリープ系の新たなる傑作。淡々と進む哲学的な会話と、自らの完璧さをもって世界を救おうとする主人公の強烈な個性が、この作品に唯一無二のオリジナリティを与えている。

 

はじめてのギャル
1話期待度B 一昔前の懐かしさを感じる。女キャラも良いが、何より男たちのノリが楽しい。男性声優陣が見事。
最終評価⑥ 00年代後半のラブコメのような懐かしさを感じた。なんといってもメインヒロインの可愛さが魅力なのだが、それと同じくらい浅沼晋太郎豊永利行の力が大きい。

 

バトルガール ハイスクール
1話期待度C ソシャゲ原作の典型的な失敗例。この数のキャラを一気に捌くのは無理があるし、物語の方向性もはっきりしない。
最終評価② ソシャゲ原作アニメの典型的かつ究極的な失敗例。ヘンテコな設定で目立たせただけの有象無象が、退屈な茶番劇と外敵駆除を繰り返すだけ。しかしこの作品の一番の罪はその内容ではなく、数多くの人気声優を無駄遣いしたことである。

 

恋と嘘
1話期待度B 1話からクライマックスでびっくりした。ちょっとリアリティに欠けるのが不安。ヒロインがすごいかわいい。
最終評価⑥ 多少ストーリーに無理があっても目をつむれるくらい、2人のヒロインがとびきり可愛い。視聴者はどちらが選ばれても納得できたはずだが、終始グズグズした主人公は最後に男として最低の選択をした。アニメは漫画の宣伝ではない。ひとつの作品としてきっちり完結させるべきだ。

 

サクラクエスト』評価⑥ 正直言ってご都合主義な展開が多いし、前半は未熟な主人公や意地悪な老人たちにかなり苛立つ。しかし、そのすべては最終回のためにある。地域の絆、活気を取り戻していく町、そして主人公の成長した姿をラストシーンで見届けたとき、このアニメの本当の良さに気づく。

 

賭ケグルイ
1話期待度B 真剣にギャンブルで戦うというより、今のところイカサマ野郎を成敗する水戸黄門スタイル。ツッコミどころは多いが、敵を完膚なきまでに叩きのめすカタルシスが楽しい。あとエロい。
最終評価⑦  緻密な駆け引きを楽しむというよりは、顔芸と勢いでぶち抜いていくパワースタイルのアニメ。話にはやや無理があるが、アニメならではの面白さがある作品だと思う。ぶっ飛んだキャラたちもどこか憎めない。

 

プリンセス・プリンシパル
1話期待度A 余計な説明を省き、スピーディな展開を披露した。1話ラストのクライマックスは思わずため息がでるほど。1話でこれだけ高い理解度を要求したのだから、単なる子供だましでは終わってほしくない。問題は、このクオリティを最後まで維持できるかどうか。
最終評価⑧  萌えと本格派を両立したオリジナルアニメ、という高いハードルがなかなか越えられなかった。キャラ重視の回が多く、設定や話の本筋は最後までうやむやだった。しかし、時には視聴者をあっと驚かせる回もあり、作画のクオリティも高く維持していた。

 

天使の3P!
1話期待度B 一生懸命がんばる小学生の女の子たちが微笑ましい。演奏はすでに相当上手いわけだが(まず指が届いてるのがすごいが)、これから何をするんだろうか。
最終評価③ たしかにキャラは可愛いが、小学生の性的描写はさすがに受け入れられない。バンド活動に関しても説得力に欠ける。なにより離島編が最悪だった。発想が陳腐で古臭いし、展開が雑。

 

NEW GAME!!
1話期待度A 1期は2016年の作品賞にノミネートさせてもらった。2期も大いに楽しみである。
最終評価⑩ キャラがみんな可愛いというだけでなく(それだけでもすごいが)、それぞれのキャラに悩みや欠点があり、それを乗り越える成長物語がある。他のきらら系日常アニメとは違い、社会人だからこその苦労や挫折、そして達成感を味わえる。OPには動画工房の本気を感じる。

 

RWBY Volume 1-3』
1話期待度B 内容云々というより、思いっきりアメリカンな仕草や翻訳口調が面白い。日本語吹き替え版を観た後にyoutubeで本家を観れば、語学学習にもなる。
最終評価⑧ メイン4人がみんな可愛いうえに、個々の成長や関係の変化といった深みもある。序盤にギャグで攻めるアニメは後半のシリアスでグダることが多いが、テンポがよく緊張感もあって盛り上がる。バトルシーンは日本アニメでは味わえない迫力がある。

 

声優賞(1) 早見沙織 『賭ケグルイ』でみせた鬼気迫る演技は見事。『RWBY』のような天真爛漫なキャラでも、彼女なら馬鹿っぽくならずに品が出る。

声優賞(2) 花澤香菜 ウィスパーボイスにここまで感情を乗せられる声優が他にいるだろうか(『サクラダリセット』)。『恋と嘘』で演じた可憐で儚げなヒロインはまさにイメージ通り。最近は幅広く活躍しているが、改めて声優界のトップランナーの実力をみた。

 

完走できなかった作品

Fate/Apocrypha』1話期待度B 1話を観ただけでは内容はよくわからない。相当力を入れているとは思うが、かなりの数いるキャラクターを捌ききれるのか、そして本家と比較される運命に打ち勝てるのか心配。

 

ナイツ&マジック』1話期待度C ずっとあらすじを見せられているような1話だった。主人公のことを全く掘り下げられておらず、ただ好きなことをして生きているようにしか見えない。なろう系のなかで比べてもだいぶお粗末なスタートだったと思うが…。

 

時間の支配者』1話期待度C いかにも中国系厨二アニメって感じ。

 

捏造トラップ−NTR−』1話期待度B 百合モノなのに男が出てくるから、どういう目線で見ればいいかわからない。

 

アホガール』1話期待度C 好きな人にとっては癖になるノリなんだろうが、自分は毎週観る気にはならない。ただギャグアニメに悠木碧はなかなか面白い起用だと思う。

 

徒然チルドレン』1話期待度C 薄い恋愛話をたくさん見せられても、「だから何?」って感じ。

 

セントールの悩み』1話期待度C まさに日常系アニメ。見た目のインパクトは強烈なのに、中身は普通でつまらないというのがなんとも皮肉である。時よりみせるディストピア感が少しだけ気になる。

 

アクションヒロイン チアフルーツ』1話期待度B 画期的な感じもするし、どこかで見たような感じもする。単なる声優ユニットもので終わらないことを祈る。

 

ようこそ実力至上主義の教室へ』1話期待度C なんというか、面白さを勘違いしているんじゃないか。ストーリーには無理があるし、どのキャラクターにも共感できない。

 

異世界はスマートフォンとともに。』1話期待度C 主人公は、ただ異世界に転生したというだけで、何の努力もせずに成功を掴む。こんな物語を子どもたちが夢中になって読んでいるのかと思うと頭を抱えたくなる。ある意味、これがなろう系の究極の姿なのかもしれない。

 

ゲーマーズ!』1話期待度C 話も寒ければ演出も寒い。キャラクターに魅力もないし共感もできない。なのに宣伝だけは立派。今年のくそアニメ大賞の最有力候補。